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Monday
Oct252010

クラウド・コンピューティングを利用したオペレーティング・システムの未来

オペレーティング・システム(OS)はソフトウェアの一部で、コンピュータのハードウェアを管理し、様々なアプリケーション用の一般サービスを提供します。クラウド・コンピューティングの台頭にともなって、OSがまだ関連するのか、また、将来のクラウドにおいてOSがどんな役割を果たすのか疑問に思う人もいるでしょう。

OSの主な構成要素

オペレーティング・システムには、リアルタイムOSから、デスクトップOS、メインフレームOSまで様々な種類があり、最先端のOSがクラウドOSです。

一般的に、どのOSにも以下の共通する構成要素があります。

  • メモリやプロセスなどを管理するカーネル。
  • 異なるベンダーによる様々なハードウェアをサポートするデバイスドライバ。
  • コマンド・ライン・シェルやウィンドウ・システムを含むユーザー・インターフェース。
  • データを保持するための階層構造を提供するファイル・システム。
  • ユーザーを認証し、情報を守るセキュリティ。

OSのタイプにより、上記のどれかが欠けていたり、また、他の要素があることもあります。例えば、内蔵のOSにはユーザー・インターフェースがなく、全てが遠隔管理されていることもありますし、デスクトップOSには、計算機、カレンダー、ブラウザなど、頻繁に利用される追加アプリケーションがあるかもしれません。

押し出されたサンドイッチ

仮想化により、オペレーティング・システムはソフトウェア・スタック中に押し上げられました。ハードウェアを管理、抽象化する役割は仮想マシン下のハイパーバイザに譲られ、OSは仮想化によって、底から押し出された形になります。

仮想化のずっと以前から、データベースやメッセージングなどを含むソフトウェアのミドルウェアという概念がありました。これらは、より高いアプリケーションの階層プラットフォームを提供することにより、結果的に製品の質と開発者の生産性を高めます。 また、JVMや.NETのようなソフトウェア仮想マシンの台頭でOSサービスはプログラムAPIの上階層に抽象化されたので、アプリケーション開発の視点から見ると、OSはそれほど重要ではありません。OSは最上階からも押し出されたのです。

また、押し出そうとしても、現代のサンドイッチに「肉」はそんなにありません。VMware(ヴイエムウェア株式会社)の代表取締役、Paul Maritz(ポール・マリッツ)氏もVMworld(ヴイエムワールド)2010で「ハードウェアをどう構成するかという改革とサービスをどのようにアプリケーションに提供するかという改革は、今はもう、OS内では起こってはいない。」と指摘しています。言い換えれば、改革は現在、もっと下(仮想化)と上(ミドルウェア)で起こっているのです。

それでもOSがクラウド・コンピューティングの中で重要なのは何故か。

前にも言ったように、クラウド・コンピューティングは革命というよりは進歩です。 従来の方法を守るということは導入する上でとても大切で、その従来の方法の一つがオペレーティング・システムなのです。

技術的な面で、OSはとても重要な財産、IPアドレスを持っています。IPアドレスは、ネットワークにおいて2つの機能を持っています。1)出入りの際の交通整理を助けることと、 2) 個々の操作システムを特定することです。

ESXのようなハイパーバイザはIPアドレスを持ってはいますが、管理目的で持っているだけで、作業負荷の計算目的ではありません。ミドルウェアとアプリケーションはIPアドレスを持っていませんが、必要に応じて個々のサービスポートと自身を結び付けます。

2つ目の、IPがIDであるという役割はとても重要で、これは公共のインターフェースのようなものです。私達がIPをミドルウェアやアプリケーション層に移動させることができない限り、OSは重要な構成要素であり続けるのです。

IPv4を利用する場合、利用可能なIPv4アドレスが限られているため、IPをアプリケーションに割り当てることは実用的ではありません。IPv6を利用すると、IPアドレスが豊富にあるので、全て可能になりますが、そうなると、それが本当に必要か、また、その変更によって何が手に入るのかという疑問が生まれます。1例を挙げると、IP属性をミドルウェアやアプリケーションに移動することで人々の感じ方がガラリと変わり、それが導入を阻害する可能性があります。

JEOSは十分か。

仮想化にともなって、Just Enough Operating System(必要最小限のOS:JEOS)とVirtual Appliance(仮想アプライアンス:VA)の概念が生まれました。考え方としては、アプリケーションをサポートするための必要最低限まで、OSをそぎ落とすことができるということです。この比較では、仮想マシンを1つのアプリケーションとして考えてください。

1つには、操作システムのサイズを大幅に減らすことができます。ここでの挑戦は、どうやって以前と同じくらい便利に保つかということですが、私個人としては、その挑戦に対する完璧なソリューションはまだ見たことがありません。一般的に、多くの人は仮想アプライアンスを1つのアプリケーションと考えることにまだ戸惑いを感じます。そのような人は、それをまだOSとして見ており、同じ機能を期待してしまうのです(一連の新しいツールが、アプリケーションと同様にそれを管理することに役立つ場合を除く)。これは「次の大物」として、新しい改革の波を牽引するかもしれません。

OSの分散

OSは様々な環境において、異なる目的で利用されるため、一様に進化するとは考えられず、クラウド・コンピューティングを背景に、OSの未来はその目的別に分散していくと思います。

まず、企業用のOSです。Paul Maritz(ポール・マリッツ)氏が言ったように、OSはスタック中の構成要素であり続けます。クラウド・インフラをサポートする上で、まだ重要であり、安定した構成要素なのです。クラウドのタイプによっては、OSについて特に知らなくて良いかもしれませんが、オペレーションのためにはまだ重要です。緊急を要する課題は、新しいフィーチャーを改革することではなく、OSを信頼性があって、便利で、安全で、さらに新しいCPU構造についていけるようにすることです。

2つ目は、エンドユーザーのためのOSです。ブラウザがあればいいと思う人もいますが、私は仕事でもプライベートでも本格的なデスクトップOSの便利さを好みます。グーグル・クロムOSのようなブラウザ上でも似たようなユーザー満足度を築くことはできますが、それも私が既によく知っているフィーチャーをもったデスクトップです。こういったOSはクラウド中でも生きることができ、離れたところからエンドユーザーのために役立ちます。エンドユーザーはクラウドの外にもOSを必要とすることになるでしょう。これらのOSは、独立したソフトウェアとしてではなく、コンピューター・ハードウェアと強く結びつくことができるかもしれません。様々なデスクトップ、ネットブック、スマートフォン、セットトップボックスにまたがって、携行性を高め、個人データを簡単に管理するためには、より良い同期方法が必要になってくるでしょう。

元記事: http://www.doublecloud.org/2010/10/the-future-of-the-operating-system-in-cloud-computing/

Sunday
Sep122010

VMware vCloud Director(vCD)– 概要

ご存知の方も多いと思うが、数カ月前に私はVMwareのプロフェッショナルサービス部門からクラウドプラクティス部門へと移った。我々の仕事の大半はVMware vCloud Directorが中心であるため、ようやくリリースに漕ぎ着けたことを嬉しく思う。これで守秘義務契約に縛られることもなくなったので、近いうちにこれについてたくさんの記事を書きたいと思う。

VMware vCloud Director とは何か?

VMware vCloud Directorとは新しい抽象化レイヤである。以下vCDと呼ぶが、これはvCenterの上に重なる層であり、vCenterが管理するすべてのリソースを抽象化する。これらのリソースは、顧客(テナント)が消費できるよう集積し、1つの大きなプールにまとめる。vCDはリソースを抽象化し、プール化するだけでなく、セルフサービスポータルも追加する。これはvCenter/ESX(i)の上に重ねられた格好になっている。イメージしやすいよう図式化してみた。これはまだ単純化された大まかな概要である。

原文: http://www.yellow-bricks.com

「VMware vCloud Director Cluster」と記載されていることに気付かれただろうか。このクラスタは、「セル」と呼ばれる複数のvCDサーバにより構成されている。これらのセルがvCDを構成し、リソースの抽象化やポータル、そして後に説明するその他の機能を提供している。

vCDはvCenterが管理するリソースを抽象化する。現在テナントが利用できるリソースには3つのタイプがある。もう少し分かりやすくするために、各リソースタイプの下にそれがvSphereレイヤで何を表すかについて説明を加えた。

  1. コンピューティング
    - クラスタおよびリソースプール
  2. ネットワーク
    - dvSwitchおよび/またはポートグループ
  3. ストレージ
    - VMFSデータストアおよびNFSシェア

これらのリソースは、vCDの一部であるセルフサービスポートを通して提供される。vCDの管理者は、vCDポータルを利用してこれらのリソースを必要に応じて分割し、顧客または部署(vCDでは「組織」と呼ばれることが多い)に割り振ることができる。ここで留意されたいのが、vCDが純粋にサービスプロバイダー向けに設計されているわけではなく、プライベートクラウド環境での使用も念頭に置いているということである。

これらのリソースを分割するには、Virtual Datacenter(vDC)と呼ばれるコンテナを作る必要がある。Virtual Datacenterには2つのタイプがある。

  • Provider Virtual Datacenter(Provider vDC)
  • Organization Virtual Datacenter(Org vDC)

Provider vDCは、「コンピューティング」リソースの土台となる。Provider vDCを作成する際、リソースプールを選択しなければならないが、これはvSphereクラスタのルートリソースプールであっても構わない。また同時に一連のデータストアをProvider vDCと関連付けなくてはならない。概してこれはすべてクラスタに対してマスクされたLUNである。私の同僚の何人かは、Provider vDCはSLAの指定を行うオブジェクトだと説明したが、この説明で概念がもう少し分かりやすくなるだろう。したがって、一方では15K FCディスクとN+2冗長構成によりHA(高可用性)を提供する「ゴールド」Provider vDCを持ち、もう一方では「シルバー」Provider vDCをSATAディスクで運用し、N+1の冗長性しか提供しないということも可能なのである。運用方法はいくらでもある。

Provider vDCを作成したら、Org vDCを作成し、これをvCD組織と結びつけることができる。「組織」には複数のOrg vDCを関連付けることができるということに留意されたい。以下の図にこれを表した。ここでは、1つの組織が2つのProvider vDCをまたぎ、3つのOrg vDCを所有している。2つのProvider vDCはそれぞれ固有のSLAを持っている。

原文: http://www.yellow-bricks.com/

ではこれらのOrg vDCで何ができるのか?一言で言うと、「消費する」ことである。vAppを作成することができる。vAppは、単に1台または複数の仮想マシンで構成される論理コンテナである。vAppは、内部ネットワークとファイアウォールで保護された外部接続を1台のVMに対して持つ3階層Appを内包することができる。これを図式化すると以下のようになる。

原文: http://www.yellow-bricks.com

もちろんネットワークを構築する方法はいろいろあるが、これは入門記事で説明するには少々複雑すぎる。ネットワーク機能については今後詳しく紹介していく。

お分かりいただけたと思うが、vCDでは実に様々な事が可能である。1つの記事ですべてを説明しつくすには多すぎる。

最後にもう一度まとめてみよう。vCDはセルフサービスポータルを提供する。このポータルはテナントにリソースを割り振ることを可能にし、テナントがvAppを作成することでこれらのリソースを消費することを可能にする。vAppは1台または複数の仮想マシンで構成されるコンテナであり、切り離されたネットワークを内包することができる。前にも言った通り、vCDではもっと様々なことが可能だが、より具体的な話に入っていくのは、皆さんが少し実際に触ってみてからの方が良いように思う。

お分かりいただけると思うが、私自身、今回のリリースについては特別な思いがあり、ようやくこのトピックついて話せることを大変うれしく思っている。今後も記事を書いていくが、その前にしばし間を置くので、皆に製品を見てもらえればと思う。

詳しい背景、ダウンロードはこちらから。

リリースノート:
http://www.vmware.com/support/vcd/doc/rel_notes_vcloud_director_10.html

ダウンロードページ:
http://downloads.vmware.com/d/info/datacenter_downloads/vmware_vcloud_director/1_0

ドキュメント:
http://www.vmware.com/support/pubs/vcd_pubs.html

製品サイト:
http://www.vmware.com/products/vcloud-director/

評価用ガイド:
http://www.vmware.com/files/pdf/techpaper/VMW-vCloud-Director-EvalGuide.pdf

スクリーンショット:
http://www.vmware.com/products/vcloud-director/screens.html

元記事: http://www.yellow-bricks.com/2010/08/31/vmware-vcloud-director-vcd/

Monday
Aug162010

プライベートクラウド、人の統合、チャージバック

数週間前、EMC社のCIO、Sanjay Mirchandani[サンジェイ・マーチャンダニ]氏がシンガポールを訪れ、同社のプライベートクラウドへの旅についてプレゼンテーションを行った。私は同氏のプレゼンの1つを聴講し、VMwareを支持する彼の説得力ある主張に衝撃を受けた。VMwareと、プライベートクラウドへの旅におけるその役割のエバンジェリストとして、彼以上に相応しい人物はいないかもしれない。同氏が注釈的にホワイトボードに記したある考えが、仮想化とプライベートクラウドの価値に対する私の理解を改めさせてくれた。

マーチャンダニ氏はIT(情報技術)プロジェクトへのリソース配分について話していた。彼がホワイトボードに描いた図には、プロジェクトリソースがサイロ化され、事業部門ごとに割り当てられた階層図が記されていた。以下に同氏がホワイトボードに描いた図を紹介する。

原文: http://vpivot.com

- ハードウェアと人は事業部門のニーズに応じて割り当てられる。プロジェクト間での共有はほとんどないか、全くない。

ほとんどの読者は、今日の企業がインフラと人をこのように完全に分けているなんてばかげていると考えるだろう。当然ストレージとネットワークは社内全体で共有されているだろうと。しかし実際には未だに事業分野ごとに厳密に分かれている企業が以外と多いのである。「当社のエンジニアは企業ITでは提供できない特殊なハードウェアとサポートを必要とするため、エンジニアには独自のITを与えている」というのが最もよく聞かれる理由だ。

EMC社は、プライベートクラウドへの旅のビジョンにおいて、ステップ1としてネットワークとストレージの統合を示している。今日のほとんどの企業は、ストレージの大半を共有インフラ上に配置している。そしてVMwareが初めて導入される際、余剰を減らし稼働率を高めるため、サーバがすぐに統合される。VMwareの顧客のほとんどが以下のサイロと共有インフラで表される。

原文: http://vpivot.com

- VMwareの旅の第1段階(ITプロダクション)では、顧客はITアプリケーションを実行するサーバを統合している。アプリケーションの所有者はまだ統合に抵抗しており、カスタマイズされたアプリケーションを専用ハードウェア上に与えられている。

仮想化の美点は、VMwareのデモで実証されるように物理的リソースを共有できるだけでなく、インフラを支える「人」も共有できる点である。VMwareのより成熟した顧客はこの概念をすでに理解しており、仮想化は資本経費よりも営業経費におけるコスト削減効果の方が高いと長年VMwareに対して言い続けている。このコスト削減は、インフラ業務を専門とする人員を減らし、より価値の高い業務に配属し直すことで達成されている。

しかし、ハードウェアを統合し、事業部門間での共有化を図った後、階層図の上位で最もコストのかかる要素である「人」で、どうすれば同様の統合が行えるのか。マーチャンダニ氏はアプリケーションの合理化が答えだと言う。アプリケーションはプライベートクラウド上で運用されなければならず、共通のリソースにより共有されなければならない。つまり、以下の基準を満たすアプリケーションを選ぶ必要があるということだ。

  • 最大数の事業部門に対し、最大数の要件を満たす。
  • 仮想環境での保守が可能。
  • クラウドにおける保守性により選ばれた少数のOS(オペレーティングシステム)ビルドで実行できる。

この領域での成功は、アプリケーションサポートチームの総合規模を大幅に減らし、ボリュームディスカウントによりソフトウェアのライセンスを減らすことができる。その結果さらに統合化が進むことになる。

原文: http://vpivot.com

- この段階では、より少数のOSイメージがサポートされており、アプリケーションのバージョンやベンダーも限られている。しかしその結果、サポート構造が大幅に減らされる。

VMwareの仮想マシンを使用することで、事業部門へのインフラ導入がより安く、より簡単かつ迅速に行えるようになる。しかしシステムに1つボトルネックが残る。事業部門と仮想インフラの間のインターフェースである。パフォーマンスの観点で言うと、このインターフェースは明らかに待ち時間が生じる元であり効率が悪い。このインターフェースとなる人は仮想マシンの導入の妨げになるだけである。この役割に当たる人が多すぎると無駄が生じる。少なすぎるとインターフェースが処理能力に対してボトルネックとなる。この解決策となるのが、事業部門のセルフサービス化である。

ここでプライベートクラウドが登場する。事業部門がセルフサービス化できるところにプライベートクラウドを構築することで、最後のボトルネックを取り除き、専用のリソース(人)をさらに排除することができる。プライベートクラウドの導入による最終的な結果を以下に示す。

原文: http://vpivot.com

- プライベートクラウドの導入により、ハードウェアも人もすべて共有される。共有されることでどちらも稼働率と効率が向上する。

個人的な意見だが、プライベートクラウドの最も重要な部分は、最も話題に上らない部分の1つだ。それは、事業部門にインフラの使用コストを示す透明なシステムである。適切なチャージバックシステムと完全に透明なモデルにより、事業部門はハードウェアと人員をどの程度消費しているかが分かる。そして価格設定を明らかにすることで、世界中のIT組織が自由市場に参加し、パブリッククラウドのプロバイダと競争する能力があることを示すことになる。

VMware vCenter Chargebackはクラウドにとって、どのエンドユーザーポータルとも同じくらい重要である。VMwareのプライベートクラウドの所有者は、これを正しく使用することで成功するかどうかが決まる。最近顧客との話を通じ、適切なチャージバックはクラウドにおいて単に1つのステップであるだけでなく、重要な要件であると確信しつつある。

元記事:http://vpivot.com/2010/06/24/private-clouds-people-consolidation-and-chargeback/